町民の皆さまへ(令和2年4月3日更新)

更新日:2020年04月03日

東日本大震災並びに福島第一原子力発電所事故から、9年の歳月が過ぎました。町民の皆さまの長きにわたる避難生活による心身のご労苦に対しまして、改めて、心よりお見舞い申し上げます。

 

我々は、9年前のあの日から、厳しい寒さの中を手探りで本町の復興・再生の取組を進めてまいりました。この間、数多くのご支援とご協力、そして町民の皆さまをはじめ本町に関係する方々のご努力により、様々な町内活動が再開され、小中学校やこども園では明るく元気な子どもたちの声が響き渡るなど、ほんの少しではありますが春の温もりを感じることができる町となってまいりました。

 

さらに、この3月からは常磐線を走る電車を朝夕に見ることができ、何気ない日常に懐かしさと嬉しさを感じております。

 

この温もりが確かなものとなり本町を未来につなげ将来を切り拓くことができるよう、令和2年度の当初予算につきましては、一般会計で約184億8千万円を計上しております。

 

令和2年度においても、「新たな産業の集積による雇用の創出」、「未来を担う子どもたちを地域全体で育てることの実践」、「全世代型の安心を担保する健康づくりと福祉の充実」、「新たな農業へのチャレンジを含めた農業の再生」、「桜をはじめとする地域資源を活かした交流の促進」を施策の柱として、これまで以上の情熱と真摯さでしっかり手当するとともに、特定復興再生拠点区域の整備を足掛かりとする「帰還困難区域全域の再生」に町民をはじめ国や県、関係機関と一丸となって取り組み、復興再生から創生へと本町の発展を未来志向で目指してまいりたいと考えております。

 

現在、我々を取り巻く状況が、福島復興再生特別措置法等の改正や福島第二原子力発電所の廃炉決定など大きく変化してまいりました。今回、これらの変化に対応する今後5年間の取り組みや事業進捗を検証する仕組みを整えた「富岡町災害復興計画(第二次)後期」を策定いたしました。

 

これまで、町は「心の復興」と「ふるさと富岡の復興」を基本理念とする富岡町災害復興計画に基づき取り組んでまいりましたが、今後はこお後期計画に基づき、これまでの取り組みの検証や新たな課題の解決に向けた取り組みをしっかりと進めてまいりますので、町民の皆さまにおかれましては、これまで以上のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 

今年は、全線開通となった常磐線の活用もあり、咲き誇る夜の森の桜の姿を多くの方に観ていただく予定でありましたが、新型コロナウイルスの国内感染が急速な勢いで広まった状況を踏まえ、町主催のイベント等の中止または延期の判断をしていく中で、苦渋の判断により「桜まつり2020」を中止することといたしました。

 

不特定の方が多数集まるイベントは、感染リスクが高まることから判断したものであり、参加者が特定できるイベントを開催する場合は、参加者への注意喚起を十分に行い、感染防止対策を徹底してまいる所存です。

 

最優先は、今後の感染の広がりや重症化を防ぐことでありますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。皆さまとふるさとの桜を見る日を楽しみに、今年も勇往邁進してまいります。

 

福島県富岡町長 宮本 皓一

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