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富岡町長として引き続き町政を担わせていただくことになりました山本育男です。
私は、先の4年間、「人がまちをつくり、まちもまたひとをつくる」、「一人ひとりの声を聴き、人に寄り添い、人を育む」を信条・信念として、避難指示の早期全面解除と町内全域の均衡ある発展を最重要課題としながら、農業と産業の育成、帰還と移住の促進、町内のにぎわい創出、教育環境の充実に全力で取り組んでまいりました。その結果、帰還困難区域の避難指示においては、令和5年に夜の森・大菅地区の解除を成し遂げ、町内の生活圏を大きく拡大することができました。また、野菜集出荷施設の本格稼働や放課後児童クラブの開所など、思い描いていたまちづくりの一部を実現することができました。これも町民の皆さまをはじめ、関係各位のご支援とご尽力の賜物であり、改めて感謝申し上げます。
私の2期目の使命は、この富岡町を「安心して暮らせる、活力ある、持続可能な町」として着実に成長させることです。本年3月に策定した「富岡町災害復興計画(第三次)」に基づき、「ひとの力で」、「人の温かいつながりで」、決意を新たにこれまでの復興の取組みを一層加速させてまいります。
農業と産業の育成では、町の北東部に整備する第二産業団地を中心に、新たな雇用の創出と底堅い町内経済の環境を整えます。町の基幹産業である農業においては、担い手の確保や作付面積の拡大を通じた生産性の向上と販路拡大を図りながら、地域計画に基づき地元農業者の営農再開を支援してまいります。
帰還と移住の促進及び町内のにぎわい創出では、未だ避難指示解除がなされていない小良ヶ浜地区・深谷地区において、国が行う除染・建物解体工事の進捗を厳しく監視するほか、帰還に際して生じる課題の一つひとつに丁寧かつスピード感を持って対応してまいります。また、特定帰還居住区域以外の山林や事業用用地、いわゆる「政府として残された課題」の方向性を早期に明示するよう、国に強く求めてまいります。加えて、町内での事業再開や起業に向けた支援や町の魅力発信の強化、夜の森地区における中核拠点整備や富岡駅周辺の活性化等の生活環境の充実を図り、町内居住者の増や交流・関係人口の拡大等に積極的に取り組んでまいります。
教育環境の充実では、Pinsプロジェクトをはじめとした町独自の教育の継続やこども園の受入年齢の引き下げ、3歳未満の幼児を安心して預けていただく環境整備、養育支援の提供等を実施し、次世代を担う子どもたちを地域全体で育みます。
私は、8月6日の富岡町長就任式の中で町職員に対し、各自が責任と自覚を感じながら、町全体を俯瞰した視点を持ち業務に当たってほしいとの思いから、職員一人ひとりが「町長になったつもり」で業務を進めてほしいと訓示しました。私が先頭に立って、当町に心を寄せてくださるすべての皆さまとのつながりを大切にしながら、「一人ひとりの幸せでみんなの未来を創る富岡町」の実現に向け、精一杯力を尽くしてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。